命に関わる肥満治療、県内初の腹腔鏡で胃切除 愛媛大病院
愛媛大学医学部附属病院(愛媛県東温市志津川)はこのほど、肥満治療のため胃の容量を小さくする「腹腔(ふくくう)鏡下スリーブ状胃切除術」を県内で初めて実施した。糖尿病や高脂血症などの合併症がある患者が対象で、保険適用の施設基準を満たす10例目まで病院が費用を負担し、以降は保険診療を目指す。
消化器腫瘍外科の渡部祐司教授は「命にも関わる肥満解消のため、安全で継続的なケアを提供できる環境を整えていく。治療に悩む人の一つの手段として提示できれば」としている。
渡部教授によると、同手術は腹腔鏡で胃の直径3~4センチ程度を残して外側の大部分を切除する。一度の食事量が制限できるようになり食欲も抑制されるため、体重減少や糖尿病、高脂血症などの代謝障害の改善が期待できる。18~65歳で肥満度を示す体格指数(BMI)が35以上か32以上で代謝障害があり、6カ月以上の内科的治療でも改善されない患者に保険診療が認められている。